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ハクション大魔王になった夏
この記事は、ジョブデパ協賛のブログ記事コンテストにエントリー中です。

あなたの探している希望の仕事がきっと見つかるジョブデパ
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−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
●大学落ちて初バイト
滑り止めまで滑りまくって、大学浪人になった春。
「予備校なんか行かせるお金は無いヨ」と母に言われ、
自宅での浪人生活が始まった。
だが、せめて後期(9月)から予備校に行きたいと、
その学費を稼ぐために生まれて初めてアルバイトをすることにした。
8月までの期間限定、午前中のみという条件をのんでくれたのは、
とあるファーストフード店だった。
最初は「いらっしゃいませ」の声がうまく出ずに、
店長の前で延々と発声練習をしたこともあった。
そんな始めてゆえの苦労もあったものの、
同じ年ごろのバイト仲間が大勢いたお陰で、
楽しく働くことができた。
ところで、私が卒業した県立高校は、地元A県では進学校として
知られていた。(全国的なレベルは不明)
バイト仲間達は私の出身校を聞くと、「頭いいんだねぇ〜!」
と皆一様に羨望の眼差しを向けた。
本当は、その学校で チョイ落ちこぼれていたのだが、
言う必要も無かろう〜と秘密にしていた。
だが・・・無常にも、そのメッキが剥がれる日はやって来た。
●刺客現る!
仕事にもすっかり慣れた暑い夏の午後、刺客は現れた。
何かイヤなことがあったのか、その中年の男性客は入ってきた時点で
すでに機嫌が悪そうだった。
男は私のレジの前に立つと、「オレンジジュースのS!(120円)」と
ぶっきらぼうに言い、一万円を出した。
「はい!オレンジジュースのSおひとつ!お持ち帰りですね!」と
私はにこやかに対応しながらレジを打った。
おつりは9,880円と表示されている。
その時、突然男が予期せぬアクションをとった。
「あ、20円ねッ!」と小銭を追加したのである。
・・・・・
実をいうと、私は数学・・・
いや、算数レベルの暗算が苦手だった。
かつての人気アニメ「ハクション大魔王」では、
大魔王は大嫌いな数字を見ると、じんましんが出ていたが、
私の場合、数字のことを深く考えようとすると、
頭のなかが白くなり、そして「無」になる。
システム上、レジの打ち直しは出来ない。
私は「無」になった頭でレジからおつりの・・・
9,000円を男に手渡した。
しばし沈黙が訪れ、次の瞬間、男が怒鳴った。
「この店はジュース1杯で千円もするのか? ええっ?」
と、そこで
「失礼しました!おつりは9,900円でしたね」
と間違いに気づけば単なるドジ話で終わったが、
ハクション大魔王化した私には、もはや男が言っている
意味さえわからず、レジの前で立ち尽くした。
見かねて奥から出てきたバイト仲間が、事情を聞いて残りのおつりを
男に返し、私と一緒に平身低頭で謝ってくれた。
そしてブツブツ言いながら去って行く男とともに、その場は収まった。
「す、すいません! あ、ありがとうございます!」
私はバイト仲間に頭を下げた。
穴があったら冬眠したい恥ずかしさだった。夏だったけど。
●恥ずかしさをバネに
家に帰ってすぐ、私は「かぁちゃん!」と母に泣きつき、
戦後の混乱期で小学校もろくに行けなかった母から、
暮らしで使える暗算のコツを伝授してもらった。
そこに通り掛かった兄も加わり、3人でちゃぶ台を囲み、
暗算の練習を これでもか!というくらいした。
それ以降、私は簡単な暗算ならこなせるようになった。
(千円−360円=640円とか)
その後、当初の計画どおりアルバイトは8月で辞め、
9月から予備校に通うことができた。
そのお陰で、第一志望の大学にもめでたく合格することができた。
いや、大学に受かった最大の理由は、
数学が受験科目じゃなかった
からかもしれない。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
長文を読んでいただき、ありがとうございました。

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●大学落ちて初バイト
滑り止めまで滑りまくって、大学浪人になった春。
「予備校なんか行かせるお金は無いヨ」と母に言われ、
自宅での浪人生活が始まった。
だが、せめて後期(9月)から予備校に行きたいと、
その学費を稼ぐために生まれて初めてアルバイトをすることにした。
8月までの期間限定、午前中のみという条件をのんでくれたのは、
とあるファーストフード店だった。
最初は「いらっしゃいませ」の声がうまく出ずに、
店長の前で延々と発声練習をしたこともあった。
そんな始めてゆえの苦労もあったものの、
同じ年ごろのバイト仲間が大勢いたお陰で、
楽しく働くことができた。
ところで、私が卒業した県立高校は、地元A県では進学校として
知られていた。(全国的なレベルは不明)
バイト仲間達は私の出身校を聞くと、「頭いいんだねぇ〜!」
と皆一様に羨望の眼差しを向けた。
本当は、その学校で チョイ落ちこぼれていたのだが、
言う必要も無かろう〜と秘密にしていた。
だが・・・無常にも、そのメッキが剥がれる日はやって来た。
●刺客現る!
仕事にもすっかり慣れた暑い夏の午後、刺客は現れた。
何かイヤなことがあったのか、その中年の男性客は入ってきた時点で
すでに機嫌が悪そうだった。
男は私のレジの前に立つと、「オレンジジュースのS!(120円)」と
ぶっきらぼうに言い、一万円を出した。
「はい!オレンジジュースのSおひとつ!お持ち帰りですね!」と
私はにこやかに対応しながらレジを打った。
おつりは9,880円と表示されている。
その時、突然男が予期せぬアクションをとった。
「あ、20円ねッ!」と小銭を追加したのである。
・・・・・
実をいうと、私は数学・・・
いや、算数レベルの暗算が苦手だった。
かつての人気アニメ「ハクション大魔王」では、
大魔王は大嫌いな数字を見ると、じんましんが出ていたが、
私の場合、数字のことを深く考えようとすると、
頭のなかが白くなり、そして「無」になる。
システム上、レジの打ち直しは出来ない。
私は「無」になった頭でレジからおつりの・・・
9,000円を男に手渡した。
しばし沈黙が訪れ、次の瞬間、男が怒鳴った。
「この店はジュース1杯で千円もするのか? ええっ?」
と、そこで
「失礼しました!おつりは9,900円でしたね」
と間違いに気づけば単なるドジ話で終わったが、
ハクション大魔王化した私には、もはや男が言っている
意味さえわからず、レジの前で立ち尽くした。
見かねて奥から出てきたバイト仲間が、事情を聞いて残りのおつりを
男に返し、私と一緒に平身低頭で謝ってくれた。
そしてブツブツ言いながら去って行く男とともに、その場は収まった。
「す、すいません! あ、ありがとうございます!」
私はバイト仲間に頭を下げた。
穴があったら冬眠したい恥ずかしさだった。夏だったけど。
●恥ずかしさをバネに
家に帰ってすぐ、私は「かぁちゃん!」と母に泣きつき、
戦後の混乱期で小学校もろくに行けなかった母から、
暮らしで使える暗算のコツを伝授してもらった。
そこに通り掛かった兄も加わり、3人でちゃぶ台を囲み、
暗算の練習を これでもか!というくらいした。
それ以降、私は簡単な暗算ならこなせるようになった。
(千円−360円=640円とか)
その後、当初の計画どおりアルバイトは8月で辞め、
9月から予備校に通うことができた。
そのお陰で、第一志望の大学にもめでたく合格することができた。
いや、大学に受かった最大の理由は、
数学が受験科目じゃなかった
からかもしれない。
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長文を読んでいただき、ありがとうございました。
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